江差屏風、蝦夷絵巻に魅せられ 旧相馬邸で一般公開

update 2010/5/31 12:58

 6月1日にオープンする旧相馬邸(函館市元町33)で30日、内覧会が行われ、蝦夷絵巻(えぞえまき)と江差屏風(びょうぶ)の一般公開と講演会が開かれた。両作品が公開されたのは初めて。講師は道立近代美術館主任学芸員の五十嵐聡美さんが務め、来場者は作品の歴史とその奥深さを学んだ。

 江差屏風は18世紀中ごろ、アイヌ民族の風俗画確立の草分けとなった小玉貞良により制作された。ニシン漁で活気づく江差が描かれ、人々の生活や家の造りなどを細かく表現している。後にアメリカに渡るなど、約250年間世界を回り、20年ほど前に日本へ戻ったという。

 蝦夷絵巻とは、アイヌ民族の風習を紹介した絵巻。18世紀に小玉貞良工房で制作され、アイヌ民族のよるクマ猟やクマ送りの儀式の様子を描いている。当時、蝦夷地は人々にとって未知の世界であり、その様子を伝える絵巻は献上品や土産ものとして珍重された。表紙には、中国製の絹織物・蝦夷錦が施された珍しい作品。五十嵐さんは「屏風などが民家(相馬邸)で公開されることは貴重な機会」と話し、来場者は作品に秘められた魅力に思いをはせていた。

 両作品は年に1度公開予定。6月中旬から同邸で複製品が年中一般公開される。千葉から来場した笠嶋義夫さんは「細部まで描かれ見応えがあり、どちらも素晴らしい作品」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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