地域の健康、安全祈願 恵山で山開き

update 2010/5/30 11:31

 函館市の霊峰・恵山(標高618メートル)で29日、恵山仏教会(蔦龍明会長)主催の山開きが行われた。住民約120人が登山し、33体の観音石像に健康や安全、大漁などを祈願。山ろくの公園のツツジも満開直前で、住民は「今年も地域の無事を願うばかり。恵山は自然の宝庫できれいな花にさわやかな登山、おいしい魚もたくさん捕れるし、本当に最高だ」と古里の魅力を語った。

 恵山は活火山。「函館・道南大辞典」によると、江戸時代の豪商・高田屋嘉兵衛が海上安全の観音石像を奉安したという。また、山頂付近には賽の河原(さいのかわら)が広がり、頂上に恵山権現堂がある。海を挟み、向かい合う青森・下北半島の恐山とは姉妹霊山で、信仰が厚い。

 山開きは、禅龍寺の渡会元康住職ら3人が執り行った。児童から年配者まで大勢を連れ添い、山道の観音石像一体一体にご詠歌を唱え、お供えして巡った。33番観音石像前で渡会住職らが旧恵山町全地区の檀家全員の屋号、名前を読み上げ、無病息災や地域発展のほか、古里を離れて過ごす出稼ぎ家族の健康・安全なども祈願した。

 母親、祖母と一緒に参加した函館えさん小学校1年の山内愛梨さん(6)は「たくさんのお願い事をした。お願いの一つは、運動会が近いのでけがをしないで頑張れるように拝んだ」とにっこり。渡会住職は「天気にも恵まれ、多くの協力で無事山開きを終えることができた。みんなの思いが伝わり、観音様も地域を見守ってくれると思う」と話していた。

 一方、山ろくの「つつじ公園」には2万本のツツジが自生(恵山一帯は60万本)。公園内の郷土博物館前の標準木が満開となり、恵山支所は28日に開花宣言をした。

 快晴の29日は、各地から訪れた観光客でにぎわった。京都府長岡京市の今村房治さん(74)は「地元のツツジは真紅だが、恵山には淡いピンクもあってきれいだ。心が和む色合い」とご機嫌だった。

 ツツジは6月上旬から中旬にかけて満開となる見込みで、長い間花見を楽しめそうだ。開花状況は同支所ホームページで紹介している。

提供 - 函館新聞社




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