食肉の原価上昇 口蹄疫の影響 函館市内スーパーなどでも
update 2010/5/25 09:20
宮崎県で猛威を振るう家畜伝染病「口蹄疫」の影響が、函館市内の百貨店やスーパーなどにも出始めている。現時点では道内産家畜の感染報告はなく、食肉類の価格上昇や在庫不足などは限定的だが、被害の長期化や規模拡大によっては「先行きは不透明」と関係者に不安が広がっている。
市内の生肉卸業者によると、食肉の原価は口蹄疫の報道後の5月以降は牛豚ともに上昇傾向という。もともと食肉は価格変動が激しい商品のため比較対象は難しいが、道産牛ロースが例年より高めの1キロ当たり2500円で取引されるなど、確実に影響が広がっているという。
市内のスーパー、マックスバリュー堀川店(堀川町4)では、豚肉の原価が前年同月の1割増。一方、牛肉の値段は据え置きで「これから影響がでてくるのではないか」(店関係者)と、静観の構え。肉のスーパー大林(富岡町1)でも豚肉の値上がりは深刻で、店関係者は「原価が上がっても、消費者の財布のひもが堅いので、小売価格に転嫁できず、こちらが身を切るしかない」とため息をつく。丸井今井函館店(本町32)では「国内産の豚肉の供給量が減少し、原価が除々に上がっている」のに対し「牛肉の売上げは前年度と比較するとむしろ下がっている」という。
札幌市の農業団体関係者によると「もともと、市場に出回る国産牛の絶対数が少ないので、牛肉の相場に大きな変動はない。だが、道内で人気が高いの豚肉には早くも影響が出ている。感染が拡大すれば、さらに値段が上がる可能性もある」と警戒する。ただ、人に感染しないことが周知されているためか、小売店などで買い控えの傾向は見られないという。
富岡町在住の女性(50)は「肉類は子どもがいるので食卓に出さないわけにいかない。安心して購入できるなじみの店で国産しか買わないと決めている。でも、この影響で価格が高騰してきたら外国産に手を伸ばしてしまうかも」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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