函館のフランス料理店、1日から「ベルサイユサミット」の料理を再現

update 2010/5/22 10:37

 函館市白鳥町のフランス料理店「イリュージョン」は、1982年にフランスで開かれたベルサイユサミットの晩餐会で、実際に各国首脳が味わったコース料理を再現する。6月1日から1カ月間限定で提供し、同月19日には当時の総料理長を招いて“味の共演”を繰り広げる。オーナーシェフの岩城浩司さん(59)は「フランス料理の奥深さを味わってほしい」と話している。

 岩城さんは東京・台場のホテルで洋食総料理長を務めていた15年ほど前、同サミットで総料理長を務めていたミシェル・パスケ氏(63)と知り合った。以後、同氏と親交を深めたことをきっかけに、08年には洞爺湖サミットに合わせてベルサイユサミットのメニューを提供し、人気を集めた。

 同サミットは82年6月に開かれ、ミッテラン仏大統領やレーガン米大統領、日本の鈴木善幸首相らが参加した。同サミットでは計4度のディナーが開かれており、今回は2年前とは別メニューで、82年6月4、5日の晩餐会で実際に出された料理を提供する。

 メニューは「ペリゴール産フォアグラ3種の味わいと有機野菜のサラダ」「海の幸のナージュ(スープ仕立て)」「仙台牛極上ロース肉のロティ(ロースト)と南仏野菜のファグリーレット(詰め物)」など計6品。フォアグラは調理法が異なる3種を並べ、どれも極上の味わいが楽しめる。「海の幸―」は車エビと蝦夷アワビ、マツカワガレイを惜しみなく使っている。

 岩城さんは前回と同様、パスケ氏と郵便や電話、ファクスで連絡を取り、メニューや盛り付けを教わった。「基本に忠実ながら、テクニックのいる料理。鮮度のいい食材をそろえた」と話す。

 19日にはパスケ氏と妻のマリポールさん(68)が来函し、同店のオープンキッチンで“共演”。当日は20人限定でコース料理を提供する一方、ソムリエの資格を持つマリポールさんが選んだワインも6種類用意。函館短大付設調理師専門学校の生徒が研修する予定で、若い料理人の人材育成にも役立てたい考え。

 岩城さんはパスケ氏との共演を楽しみにしながら「この企画で、函館の食文化の活性化につながれば」と話している。料金は1人1万2000円(税別)で、前日までの予約が必要。問い合わせは同店TEL0138・40・3588。

提供 - 函館新聞社




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