口蹄疫で七飯の城岱スカイライン閉鎖
update 2010/5/22 10:37
【七飯】宮崎県を中心に被害が拡大している家畜伝染病、口蹄疫の感染を防止するとして、七飯町は21日、町営の「城岱牧場」を通過する町道「城岱スカイライン」を当面、全線通行止めにすることを決めた。同町道は町内の観光ルートでもあり、これから本格化する夏の観光にも影響が及びそうだ。町は「各農家から預かった牛を守るための措置。多くの人に迷惑をかけることになるが、どうかご理解を」としている。
感染の広がりを受けて、町内の酪農家や農業士らでつくる牧場運営委員会が20日、町に対策を要請。協議した結果、牛の安全を重視して町道の通行止めを決めた。町農林水産課は「通行止めの解除は安全が保障され事態が収まるまで」とし、めどは立っていない。
21日は今年の牛の入牧初日だったが、牧場の職員は早朝から7カ所の出入り口付近に消毒用の石灰をまくなど例年と異なる対応に追われた。「牛を放牧する初日に道路を閉鎖するのは残念な気持ち」と複雑な表情を見せる。
同町道は町内の市街地と大沼地区の軍川を結び、全長14キロ。七飯岳のふもとを抜けて頂上付近に眼下の大野平野と駒ケ岳を見渡せる展望台のほか、周辺には牧場が広がる。観光バスも頻繁に通り、夜は函館の裏夜景を楽しめる。地元や近隣からの来場者も多い観光スポットで、場所によっては間近で放牧された牛を見ることも可能だ。
町内には乳牛、肉牛合わせて約1万頭が飼育され、ほとんどが観光地の大沼地区に集中している。牧場の景観や酪農の体験観光も町の観光資源となっている。今回の事態を受けて、体験観光の受け入れを休止した酪農家も相次いでおり、大沼観光協会の堀元会長は「マイナスイメージにならないか不安はあるが、1日も早い事態の収束を願いたい」と話し、「早急に代わりの観光メニュー、対策を考えていく」と危機感を募らせる。
七飯町の対応を受けて、他の公営牧場でも同様の対策を取ると見られる。キャンプ場やパノラマ展望台があるきじひき高原に市営牧場が開場されている北斗市では30日に牛の入牧が予定され、牧場につながる道路の封鎖も視野に入れながら対応を検討中。山菜採りの安全防止のため展望台から先の区間を6月30日まで通行止めにしているが、市農政課は「このままの状況が続くのであれば7月1日以降も通行止めにする」としている。
提供 - 函館新聞社
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