口蹄疫被害、道南にも影響

update 2010/5/21 09:15

 宮崎県を中心に被害が拡大している家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)について、道南でも防止対策が本格化している。七飯町の牧場では、修学旅行生の体験学習受け入れをキャンセル。道南から他地域への農業視察も中止するなど、伝染力が極めて強いとされている口蹄疫ウイルスの侵入を水際で防ごうと神経を使っている。

 道渡島家畜保健衛生所(森町)ではこれまで、管内にあるすべての偶蹄(ぐうてい)類家畜農場438カ所に対し、家畜の健康状態を確認するとともに、道が作製したリーフレットを配布し、農場立ち入り時における消毒徹底の呼びかけを啓発。万が一異常があった場合には通報するよう伝えているが、20日までに異常は報告されていない。加藤一典所長は、「道内にウイルスがない今は、絶対に入れないということに尽きる」と事前対策の重要性を強調する。

 これを受け、乳牛の搾乳体験を行っている七飯町軍川の酪農業、石黒雄介さん(29)は、7月ごろまで予定していた本州からの中学、高校の修学旅行5校の受け入れを中止。「いずれも宮崎とは遠い場所からの受け入れだが、感染力が強いので警戒する必要がある」と話す。旅行会社を通じて各校に連絡済みで、修学旅行生には「残念で申し訳ない気持ち。早くこの被害が収まってくれれば」と願う。

 一方、函館牛乳ブランドで知られる函館酪農公社(函館市中野町118)は、夏期のみ本社や工場、販売店に隣接する放牧場で行ってきた乳牛の展示を、本年度は見合わせることを決めた。展示は5年にわたり継続してきたが、近年は韓国や中国など外国からの旅行者が訪れる頻度が増し、「万が一病気が持ち込まれたら」(同社)との危機感を感じていたという。えさを与えて乳牛と触れ合うこともできたことから、来店者からの人気は高いが、今回の口蹄疫発生を受け即座に廃止を決定。金子健治常務は「病気が入ってくると地域は大変な打撃を受ける。いたしかたない」と話す。

 渡島農業改良普及センター(北斗市)によると、七飯町の農業関係団体が6月に予定していた道東への農業視察を中止。同センターでは「道内での発生は報告されていないが、事態が収束するまでは他地域との接触は可能な限り避けるようにしたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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