西尾市長 JRに継続申し入れ…函館―新函館間経営分離問題
update 2010/5/20 10:07
【札幌】北海道新幹線の札幌延伸後、JR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)間17・9キロを並行在来線として経営分離する方針を示している問題で、函館市の西尾正範市長は19日、札幌市のJR北海道本社を訪れ、延伸後もJRが同区間の列車運行を継続するよう申し入れをした。これに対しJR側は「考え方は変わらない」と述べ、両者の主張は平行線をたどった。西尾市長は会談終了後、「JRと道が責任を持ってやらない場合、市としても同意できないということになる」と述べ、経営分離を求められた場合に同意しない考えを強調した。
この日は西尾市長、吉田崇仁市議会議長、森川基嗣函館商工会議所副会頭が同社を訪問。JRは菅野光洋取締役新幹線計画室長が応対し、約30分間会談した。
同市長は会談の冒頭「函館市にとっては地域存亡にかかわる問題」と切り出し、「これまでの経過を踏まえると(経営分離は)あり得ない。新幹線で乗客が来た際に1両編成の第3セクター鉄道で、現駅に乗客を連れてくることは不可能で了解しがたい。これは要請ではなく、申し入れだ」と迫った。
また、同市長は現駅周辺の開発に国費も投入されたとし、今後、国とも話し合うことを示唆した。
菅野取締役は「政府・与党にも話しており、同区間は並行在来線ということで考えている」と、スタンスに変化がないことを説明。「道と連携を取りながら、関係自治体の理解をいただけるよう取り組みたい」と、同社の考えを改めて述べるにとどめた。
西尾市長は会談終了後、今回の申し入れについて「決して札幌延伸を邪魔するものではないが、並行在来線問題が片付かない限りは(経営分離に)同意できない」と説明。94年に両駅間のアクセスを「道が中心となって対応する」として道と市が交わした覚書の存在などを挙げる一方、「新幹線で全国が結ばれるべきだが、中間の地方都市が衰退することはあってはならない。JRと道で責任をもって対応してほしい」とした。
一方、菅野取締役は、函館―新函館を含む小樽までの経営分離方針について「1999年の政府・与党のヒアリングの際に表明している。道と市がやりとりをしたのはその前で、JRは話に入っていない」との見解を示した。
提供 - 函館新聞社
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