道南食品が新製造棟建設 キャラメル3割増産へ

update 2010/5/19 11:49

 明治製菓(東京)の子会社で菓子製造販売の道南食品(函館市千代台町、大野秀幸社長)は、本社の工場敷地内に約10億円を投じて新たな製造棟を建設する。8月にも着工し、来年5月の稼働を目指す。最新鋭の設備を導入することで主力のキャラメル菓子の生産能力を現在より3割程度高め、業務の効率化による品質向上を図る。

 同社は明治製菓函館工場から分社化し、1980年に設立。現在は「サイコロキャラメル」など明治のキャラメル製造を一手に引き受け、道内の食材を生かした土産用のチョコレートやキャラメルなどの自社製品も約50種類生産している。大規模な設備投資は97年のチョコレート製造棟の建設以来となる。

 新たな製造棟は市に建築確認申請中で、8月にも着工し、来年3月の完成予定。鉄筋コンクリート造り2階(一部3階)建てで、延べ床面積は約5000平方メートル。主にキャラメルの生産ラインとして、現行より約3割多い年間約2000万個の増産体制を整える。総投資額は約10億円。

 新棟には砂糖を煮詰めるクッカーやキャラメルの成型機、包装システムなど約4億円をかけて最新の機材を導入。老朽化に伴い、既存の製造棟3棟のうち1棟を取り壊し、一部設備を新棟に移管する。建物内には事務所のほか、見学者のための専用通路を設け、修学旅行生なども積極的に受け入れる。

 道南食品の大野社長は「生産体制を増強することでキャラメル市場でのシェア拡大や品質向上が期待できる。新たな雇用も生み出し、函館経済の活性化につなげたい」とし、明治製菓広報室の岸昭彦室長も「北海道をキャラメルの生産拠点に、地域に根差した工場から商品を全国に供給したい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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