上ノ国で稚ナマコ放流スタート
update 2010/5/18 13:25
【上ノ国】価格が高騰しているナマコ資源の増殖に向けて、上ノ国町の漁港5カ所で17日、町の栽培漁業総合センターで生産した稚ナマコ2万6400匹が放流された。同町では本格的な稚ナマコ放流は今回が初めてとなる。
同センターでは、昨年7月からナマコの採卵と育成を進めてきた。稚ナマコは体長3―6センチ程度に成長。17日には上ノ国、大崎、汐吹、石崎、小砂子の5漁港周辺に放流した。3年程度で漁獲の対象になる体長10センチ程度の親ナマコに成長する。
上ノ国漁港では、ひやま漁協上ノ国支所による放流式が行われ、漁業者30人が神事でナマコの成長を祈った。5つの漁港では、漁船から水深数メートルの漁港内に稚ナマコを放流。花田英一ナマコ部会長は「放流で漁獲増加が期待される」とあいさつ。工藤昇町長も「漁業の不振が続く中でナマコ増殖の期待は大きい」と語った。
中国で珍重される桧山産ナマコは、2003年に1019円だった、1キロ当たりの年間平均単価が、09年には3712円に高騰。ピーク時の北京五輪(08年)の開催時には5000円超の高値が付いた。漁獲額は06年3億3833万円(対前年比109%増)、07年6億2200万円(同84%増)と倍増。08年は5億900万円(同18%減)。09年は5億3900万円(同6%増)で、不漁が続くスケトウダラを抜き、首位のスルメイカに次ぐ漁獲額となった。
漁獲量は、06年125トン(同34%増)、07年189トン(同52%増)と伸びたが、08年148トン(同22%減)、09年145トン(同2%減)とやや頭打ち。漁獲量の増加により資源が先細りとなる懸念もあり、町は稚ナマコ放流を通じて、持続的な漁獲量の確保に取り組む方針だ。
提供 - 函館新聞社
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