五島軒会長 若山徳治郎さん死去

update 2010/5/18 13:25

 函館の老舗フランス料理店「五島軒」会長で、日仏の文化交流などに尽力した若山徳次郎(わかやま・とくじろう)さんが14日午後3時36分、多臓器不全などのため、函館市内の病院で死去した。93歳。自宅は函館市元町3の9。葬儀は近親者で済ませ、6月1日午後2時から、五島軒本店(末広町4)で社葬を執り行う。

 1917(大正6)年函館市生まれ。法政大経済学部在学中の38年に先代の急逝に伴い家業のレストランを経営。市内で洋菓子や喫茶、食堂を展開するなど事業を拡大し、84年の法人化を経て、85年まで3代目社長を務めた。

 その間、函館商工会議所常議員や函館観光協会(当時)会長などを歴任。83年には有志で函館日仏協会を設立し、副会長に就任した。函館の観光振興や日仏交流に貢献したとして、93年には市功労者表彰、2000年にはフランス政府から国家功労勲章シュバリエが贈られた。

 函館市の西尾正範市長は「戦後の函館の観光・産業、歴史・文化と多方面で活躍された。素晴らしいお人柄で皆に慕われ、さまざまな面でリーダーとして先導していただいただけに本当に惜しい方を亡くした」とコメント。函館商工会議所の高野洋蔵会頭も「突然の訃報(ふほう)を聞いてびっくりした。会議所時代は各種イベントに積極的に参加して盛り上げてくれた。あらためて感謝の意を表したい」と話す。

 晩年を過ごした高齢者福祉施設「旭ケ丘の家」の職員市毛晋さんは「誰にでも気さくで思いやりのある人だった。近年は読書に講じ、函館の歴史研究に力を入れていた。まだまだ元気でいてほしかった」と肩を落とし、五島軒の中村隆管理課長も「若い社員の面倒見も良く、おおらかで心の広い方だった。昭和初期から洋食文化を広めるのに積極的で、偉大な人を失ったショックは大きい」と語った。

提供 - 函館新聞社




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