市企画部長「現状では同意できない」…函館―新函館経営分離問題

update 2010/5/14 09:17

 北海道新幹線が札幌まで延伸された場合、JR北海道が函館―新函館駅(仮称)間を並行在来線として経営分離する方針を示している問題で、函館市の渡辺宏身企画部長は13日の市議会総務常任委員会(浜野幸子委員長)で「現状では経営分離に同意できない」との考えを示した。整備新幹線の建設着工は地元自治体が経営分離に同意することが条件で、国が8月にも新規着工の是非を決定するのを前に、市はいち早く姿勢を示した形。19日には西尾正範市長らが札幌のJR北海道本社を訪れ、経営継続を要請する。

 JR北海道は12日の記者会見で、中島尚俊社長が函館―小樽間を経営分離し、並行在来線とする方針を改めて表明。函館市はこれに対し、現駅―新駅間は並行在来線には当たらないとの認識とともに、1994年に現駅―新駅間のアクセスについて「道が中心となって対応する」との確認書を交わした経緯から現駅周辺の開発に約100億円を投じたことや、駅舎など鉄道施設の購入に多額の費用がかかることを挙げ、JRの経営継続を求めている。

 渡辺部長は「相当の協議は経ると思うが、現状のままでは同意するにはあたらない」と述べ、経営分離回避の姿勢を示すとともに、「住民の足の確保と同様、観光客を含めた都市間輸送のアクセス路線という考え方を(JRに)持ってもらいたい」とした。

 同部長はまた、「オール北海道での延伸運動に水を差す環境は作り出したくない」としながらも、小野沢猛史氏(市民クラブ)の「最後はどこかで腹をくくらなくてはならないのでは」の質問には「相当の覚悟で臨む。地域の意思を固めた上で、経営分離に同意できない姿勢は堅持していきたい」とした。

 国は8月にも札幌延伸を含む新規着工の是非を判断することから、福島恭二氏(民主・市民ネット)は「議会や経済界と市が一体となって強力な運動を展開していくべき」と主張。同部長は「時間がない。全力を挙げたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社




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