コースや料金 9割超満足…西部地区のおでかけバス

update 2010/5/11 09:17

 函館市はこのほど、昨年10―12月に運行社会実験を行った、西部地区のコミュニティバス(通称・おでかけバス)の実験結果をまとめた。運行コースや利用料金などの面で利用者の90%以上が「満足」との回答を示した一方、1日あたりの平均利用者が50・9人と採算ラインに届かなかったため、市は試験運行時と同じ形態での事業化は困難とする一方、「運行の効率化や既存バス路線との統合再編に可能性を見出せる」とみて、函交通事業者に対し、事業化に向けた検討を要請している。

 同バスは、西部地区に数多く点在する坂道の上り下りの負担軽減と公共交通機関への接続をスムーズにする目的で、函館バスに運行を委託して昨年10月16日から12月30日まで運行。50分間隔で1日12往復、料金は大人一律100円に抑えて利便性を高めた。総利用者は3867人、1日平均利用者は50・9人で、採算ラインに定めた同450人を大幅に下回った。

 利用状況では運行終盤の12月に利用者が増え、最終1週間(12月24―30日)では同73・4人。時間帯別では午前10時半発の乗客が最も多く、午前10時―午後4時の時間帯に集中した。

 11―12月にかけて行った利用者アンケートには204人が回答。女性利用客が全体の4分の3以上を占めており、利用目的は「買い物」が93人で最多。行き先、乗車場所、降車場所はいずれも末広町のスーパーマーケットが最も多く、利用目的を裏付ける形となった。

 運行コース、バス停までの距離、利用料金の3項目で「満足」「やや満足」との回答が90%以上をマークし、継続運行は97・9%が「希望する」と回答した。

 市街づくり推進課は「坂の上と買い物先を結ぶ上で、確実に利用ニーズがある」と分析。一方で採算ラインに及ばなかった点を踏まえ、@利用ニーズに合わせた運行の効率化A既存コミュニティバス路線との統合、再編―を視野に函館バスや函館ハイヤー協会に検討を求めた。同課は「交通事業者への情報提供を行いながら、事業化を働きかけていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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