ラーメン店 12日閉店

update 2010/5/7 14:11

函館市本町4のラーメン専門店「満龍」が12日の営業を最後に閉店する。先代店主が開店して40年。1980年からは店主の大場宅二さん(62)と妻のクミさん(58)が30年間、のれんを守り続けてきた。2wは「不況で売り上げが減少していたとき、青森の姉から店を手伝ってほしいと連絡を受けた。今が潮時と思い決断した」と語る。市民らに親しまれた老舗の看板が惜しまれながら下ろされる。

 会社員などを経て、大場さんが料理の世界に飛び込んだのが40年前。以来、修行を積み、親類が経営する「満龍」を継いだ。「真面目にコツコツと、地元を大切に」をモットーに、夫婦二人三脚で店を切り盛りしてきた。自慢の味噌カレー牛乳ラーメンは、特製味噌にカレー粉や牛乳などで味を仕上げた一品。市民や観光客だけでなく芸能人がお忍びで通うほど人気となった。

 大場さんは「30年間はあっという間だった。とにかくおいしいものを食べてもらいたいと無我夢中だった」と振り返る。そんな中でも2人は「長年、店を愛してもらったお客さんとのつながりが一番の財産」と笑顔をのぞかせる。

 お盆や正月、ゴールデンウイークなど帰省のたびに来店する客も多い。閉店を知った客は「ここがなくなったら函館に来る機会も減るね」などと話し、来函中は毎日訪れる人もいるという。

 大場さんは閉店後、青森市内にあるクミさんの姉が経営するラーメン店を支えていくという。将来的には息子の聡さん(37)も移住し、店を盛り上げていく予定。「ここに通ってくれたお客さんにはとても感謝している。青森に行っても同じ味を提供していきたい」と話す。

 同店では、8―12日の5日間、1日300食限定でラーメン(味噌、塩、しょう油)を300円(通常650円)で提供する。営業時間は午前11時―午後10時。問い合わせは同店TEL0138-54-1088。

提供 - 函館新聞社




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