高卒者の就職率78.5% 7年ぶり80%割れ 

update 2010/5/5 14:53

函館公共職業安定所は、3月末現在の高校卒業者の就職状況をまとめた。就職率は前年同期を3.5ポイント下回る78.5%にとどまり、過去10年では米同時多発テロに伴う不況が影響した2002年度以来、7年ぶりに80%を割り込んだ。世界同時不況の余波で道外の製造業の求人が急減したのが要因で、「超氷河期」ともいわれる高校生の厳しい雇用情勢が浮き彫りになった。

 高校生の就職率は03年度以降、緩やかな上昇傾向にあったが、08年秋のリーマンショックで全国的に求人を手控える動きが加速。例年、内定を得られない地元志向の強い生徒の就職をカバーする役目を果たす道内や道外企業の求人も鈍く、数字を押し下げた。

 同職安管内(渡島・桧山)の高卒者は前年並みの4144人。このうち就職希望者は前年同期比11.7%減の939人と過去10年で初めて1000人を切った。ただ、「本来は就職を希望していたが、内定が得られずに途中で進学に切り替えた生徒も多い」(同職安)のが実態だ。

 3月末までに就職が決まったのは同15.6%減の737人。未就職者は同5.8%増の202人に上り、7年ぶりに200人を超えた。求人数は全体で同27%減の1173人となり、過去最大の減少幅となった。内訳では道外が同43.3%減の395人と激減し、道内が同24.7%減の149人、管内が同11.5%減の629人だった。

 同職安によると、高校生は就職先として地元志向が強い半面、地元企業は長引く景気低迷で求人の手控えが目立ち、求人があっても即戦力を求める傾向が強いという。業種別では慢性的な人材不足の介護職など「医療・福祉」で求人が伸びたものの、高校生の多くが希望する製造業や事務職などは大幅に減り、雇用のミスマッチも深刻だ。

 同職安は「一度フリーターやニートになってしまうと、採用する企業側の印象も悪くなり、正社員採用への道がさらに険しくなる。スキルアップを図るための職業訓練なども紹介できるので、未就職者はハローワークに来て求職活動を続けてほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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