強制労働の歴史 次代へ語り継ぐ 松前・専念寺で慰霊法要

update 2010/5/4 12:26

 【松前】戦前から戦時中に旧国鉄松前線建設工事に従事させられて亡くなった朝鮮人労働者らを追悼する「殉難者慰霊法要」が3日、町唐津の専念寺境内の慰霊碑前で開かれた。参列者らは、不戦と平和への決意を新たにし、悲惨な歴史を語り継いでいくことを誓った。

 軍需物資の運搬を目的とした旧松前線の工事では、朝鮮人らが強制労働に従事させられた。過酷な労働と厳しい自然環境で、多くの労働者らが命を落とした。衣食も満足に与えられず、飢餓状態で労働を強いられたという。犠牲者の数は1000人ともいわれているが、正確な数は分かっていない。松前線は1953(昭和28)年に開通、88(同63)年に廃止された。

 慰霊法要は、85年から毎年5月3日に開かれており、今年で26回目。この日は在日韓国、朝鮮人や地域住民ら約70人が参列した。6年前、慰霊碑建立20周年を記念し、境内に設置された「韓国鐘(しょう)」が鳴らされ法要が始まった。岡本順一副町長が、「強制労働の歴史を永久に語り継いでいく。安らかにお眠りください」と前田一男町長の追悼の言葉を代読した。

 同寺の福島憲成住職(63)らが読経する中、参列者が一人ずつ焼香し、静かに手を合わせ犠牲者の冥福を祈った。

 犠牲者の調査を行い、慰霊碑の文章も書いた七飯町在住の浅利政俊さん(79)は「日本がアジアと本当の意味で共存の時代を迎えるためにも、歴史と事実を次の世代にしっかりと伝えていかなければならない」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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