仕事も“草食系”増加 新入社員アンケート「競争」より「協調」
update 2010/5/3 10:41
「スキルアップより安定した収入」、「体力よりも協調性」が大切―。函館商工会議所が函館・近郊の新社会人を対象に行ったアンケートでこんな社会人の理想像が浮かび上がった。安定志向で競争よりも周囲との調和を重んじる“草食系”の若者が多く、先輩社員や経営者らが新人の本音を知る手掛かりになりそうだ。
アンケートは同会議所が会員企業などに社員教育に役立ててもらおうと初めて実施。3月下旬、同会議所などが主催した新入社員向けのセミナーに参加した男性44人、女性46人が対象で、計90人から回答を得た。平均年齢は20・6歳で、回答率は92%。
「社会人に必要な要素」の設問では、責任感が16・9%でトップ。次いでコミュニケーション能力が16・4%、協調性が13・4%と続き、忍耐力・自制心(11・4%)や行動力(11・1%)を上回った。同会議所は「バリバリ働くというよりはやや保守的な傾向がある」とみる。
また、「会社生活に何を求めるか」を聞いたところ、安定した収入が27・8%、安定した生活が26・3%で、この2つで全体の半数以上を占めた。一方、自己の能力発揮は16・7%、自己のスキル獲得は15・2%にとどまり、仕事よりもプライベートを重視する一面もあるようだ。
このほか、会社に在籍したい期間は、厳しい就職情勢を反映してか「定年まで働くつもり」が42・2%で最多。社員の理想像では「人間関係を大事にするタイプ」が45・3%に上った一方、入社に当たっての不安要素でも「会社の人間関係」が45・2%に達し、新社会人の複雑な心境もにじませた。
理想の上司としては、「人格に優れた人」と「相談しやすい人」が19・2%で、指導力や厳しさよりも頼れるタイプが人気。理想の上司を著名人で例えると、所ジョージやタモリ、島田紳助さんら親しみやすいタレントの名前が上位に並んだ。同会議所は「今後も継続的にアンケートを行い、時代を読み解くコミュニケーションツールとして活用してほしい」としている。
提供 - 函館新聞社
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