天候不順の道南 農作物に影響、出荷遅れ価格低下心配

update 2010/5/2 02:49

低温と断続的な降雨の天候不順が、農業関係者の懸念材料となっている。渡島管内では、農作物の生育は深刻な状況ではないものの、種まきから発芽時期に遅れが発生。今後の天候回復によっては、出荷までに品質を持ち直せる見込みだが、野菜高騰が続く中で「全国で出荷時期が集中し、今度は逆に値段が上がらなくなるかもしれない。いずれにしても天候の回復を待つしかない」と関係者は不安をのぞかせる。

 3、4月の渡島管内は、曇りがちな天候が続き、日照不足と雪がちらつく肌寒い日も。例年だと早い種類で3月上旬に種まきをするが、「日程を延ばさなくてはならない状況だった。いつもなら、順序よく農作業をこなしていくが、今年は収穫時期が重なりそうで忙しくなりそうだ」(北斗市野菜農家)。

 渡島農業改良普及センターによると、露地栽培のニンジンやダイコンの種まきの遅れは5―10日ほど。その分、収穫も遅れるため「野菜の早い出荷が道南の利点だけに、この時期の天候不順は困る。花は日照不足だと茎が伸びすぎて、品質低下を招きかねない」(同センター)。

 北斗市開発のコメ農家斉藤秀樹さん(60)は、4月下旬に発芽したビニールハウス内のコメ苗を見守りながら「苗は大丈夫だけど、田んぼが一番気がかり。毎年5月連休に土起こしをするが、今年は乾きが遅いので連休明けになりそうだ。一つの仕事が遅れると、ほかの農作業に負担がかかる。自然相手だから仕方ない」と語る。

 JA新はこだては「天候不順による極端な被害はないが、油断はできない。5月以降の好天を願い、農業従事者の出来る限りの努力を持って、高品質な農作物の生産・出荷を期待している」。

 函館市農務課は「市内は露地栽培が主で、生産量が少ないので天候不順による値段に大きな影響はない。ただ、全体的に10日ほどの生育遅れが出ている。影響という影響は、今後の天候次第では」。函館海洋気象台によると、5月1日以降の週間予報は平年並みの温かさになるという。晴れの日が多く、最高気温15℃と気温も上昇。今年に入っての最高気温は4月27日の13.9℃だった。

提供 - 函館新聞社




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