乙部のサクラ後世に残したい クローン苗木11本を植樹
update 2010/4/24 10:20
【乙部】乙部町富岡にあるエゾヤマザクラの遺伝子を受け継いだ11本の苗木が、地元に里帰り≠果たした。濃いピンク色の花びらが特長のサクラは「乙女桜」と命名され、23日には町内の温泉旅館「乙部温泉・光林荘」(館浦527の2)で、町職員らが植樹作業を行った。
苗木は独立行政法人・森林総合研究所材木育種センター北海道育種場(江別市)で育てられた。親樹は樹齢50〜60年程度。他地域では珍しい、濃い色合いの花びらが特長だが、幹や枝などの高齢化が進み、町内では「美しい花の色を受け継ぐことができる後継樹を育てたい」との声が上がっていた。町の依頼を受けた同センターは、2007年に親樹から枝を採取。花の色など親樹の遺伝子を受け継ぐことができる「接ぎ木」の技術を生かして11本の苗木を育てた。
1.5メートルほどに成長した苗木は、19日に町内に里帰り。23日には萬木英雄副町長や管理職を中心に植樹を行った。6本の苗木が植えられた光林荘には「乙女桜」の名前を刻んだ標柱も設置。町は「親樹と同じく濃いピンク色の花を咲かせ、末永く町民に親しんでもらうことができれば」としている。数本の苗木は既に小さなつぼみを結んでおり、作業に参加した職員らは開花を心待ちにした様子で作業に汗を流していた。
同センターは「林木遺伝子銀行110番」として、天然記念物や各地で親しまれている名木などのクローン苗木を栽培。事業の第1号となったのが、同じ富岡にあるカツラの巨木「縁桂(えんかつら)」だった。空中で2本の枝が固く結び付いた縁桂は、縁結びの神木として親しまれている。同センターは04年に縁桂の枝を採取して苗木を育成。06年5月には、3本の苗木が富岡保健環境保全林に植樹され、今も元気に成長を続けている。
提供 - 函館新聞社
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