「函館―小樽間はJRで運営を」函館市が道に要請へ 札幌延伸時の並行在来線問題で
update 2010/4/22 09:35
函館市は21日までに、北海道新幹線の札幌延伸問題に関し、延伸開業時にJR函館線の函館駅―小樽駅間(252・3キロ)が並行在来線として経営分離される可能性があるとして、近く道に対し、同区間を引き続きJR北海道の運営とするよう要請する方針を固めた。政府が新函館―札幌間を含む新規着工区間の扱いに関して8月にも結論を出すとされ、その着工条件として沿線自治体が経営分離の同意を求められる可能性があるため、道南全体に重大な影響を及ぼすことを要請の理由としている。
JR北海道は札幌延伸開業時に並行在来線として経営分離する区間について、現函館駅から小樽駅間との方針を示す一方、小樽―札幌間は「札幌都市間輸送の使命を担う区間」(広報部)として、新幹線開業後も引き続き経営する意向を示している。
並行在来線の扱いは1996年2月の政府・与党申し合わせで、@開業時にJRの経営から分離するA工事実施計画認可前に沿線自治体やJRの同意を得て確定する―としている。旧運輸省は同年5月、「特急列車が新幹線に移る線」とする見解を示している。
市はこれらを踏まえ、現駅と新函館駅(仮称)の間(17・9キロ)について「新幹線の運行区間ではなく、並行在来線にはあたらない」との認識を示す。94年11月の道と地元関係団体との協議では、現駅―新駅のアクセスにかかわり、道が中心となり、責任を持って対応することを確認しており、市はこの協議内容をもとに、道に要請する方針だ。
函館―小樽間が経営分離された場合、道南では沿線の函館、北斗両市と七飯、森、八雲、長万部の各町で財政負担が生じることが予想されるだけに、市は「経済界とも一体となって、道への要請を図っていきたい」(企画部)と話す。
新駅が出来る北斗市は「江差線と合わせて2本の並行在来線を抱えることになる。函館線も在来線になることで、江差線にどのような影響が及ぶのか見極めることは難しい」(総務部)、七飯町は「これまで通りJRが運行するのは町にとっても良い傾向。庁内の方針はまとまっていないが、町民の利用状況を見ながらの対応になると思う」(新幹線まちづくり課)としている。
提供 - 函館新聞社
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