石川中央地区整理事業「ただし書き」適用焦点

update 2010/4/20 11:13

 函館市議会の経済建設常任委員会(佐々木信夫委員長)で調査が進む石川中央地区土地区画整理事業問題は、20.8ヘクタールの対象地区に、建築基準法の「ただし書き制度」を適用して1500平方メートル以上の大型店出店を認めるか否かが焦点となっている。市は地域に必要な生活利便施設の立地について検討する考えだが、現状ではただし書きの適用を認めない方針。また一部の地権者は、同事業からの除外を求める動きを見せている。

 同地区は、出店できる店舗面積が1500平方メートルまでとされている第二種中高層住居専用地域。だが用途地域の変更を行い、建設基準法で定める「ただし書き制度」の適用を市が認めた場合、店舗面積の緩和が可能となる。

 昨年8月、同地区の区画整理組合は市に1500平方メートル以上2棟、1500平方メートル以下2棟、500平方メートル以下1棟の、スーパーマーケットなどの商業施設計5棟を建設する計画を提案。これに対し市都市建設部は、周辺に生活利便施設が不足していることから「ただし書きを使って1500平方メートル以上の施設を認可するのは、1棟のみ」とする同部としての考えを示していた。

 しかし組合から計画を受けた市は、同9月上旬の庁内協議で「コンパクトシティーを目指すまちづくりの観点から、新たな商業核の形成は好ましくない」とただし書きを適用しないとする方針を決定。西尾正範市長は同月の第3回定例会で「既存商店街の現状を考えると、ただし書き制度の適用にはならない」と答弁している。その後、同組合から代替案は示されていない。

 19日に開かれた委員会では、各委員から市の対応を疑問視する指摘が相次ぎ、同部の荒井俊明部長は「広範囲から集客可能な商業核ではなく、地域に必要な規模の生活利便施設の立地は柔軟に協議したい」との考えを示した。

 一方、同地区の地権者4人から「組合から区画整理事業の詳細を知らされないまま計画に賛同してしまった」とし、「所有する土地を事業対象から外してほしい」とする要望書が16日に提出されていたことを明らかにした。同部長は「地権者が不安を持っている状態。事業が円滑に進むよう、市として調整していきたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社




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