未来大の松原教授が文科相表彰
update 2010/4/20 11:12
公立はこだて未来大の松原仁教授(51)らの研究グループが、本年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞した。将棋の羽生善治棋士の思考や戦略を分析した書籍の執筆や講演会など、思考ゲームに関する科学技術の普及を図った功績が評価された。松原教授は「受賞を励みに一般に分かってもらう活動をさらに広げたい」と話している。
松原教授らは科学技術賞の理解増進部門で受賞。この部門は青少年や国民の科学技術への関心や理解を勧める活動が対象で、全国で17件が選ばれた。
松原教授は1959年、東京生まれ。東大大学院博士課程を修了後、通産省工業技術院電子技術総合研究所勤務を経て2000年から現職。専門は人工知能研究。06年には電気通信大の伊藤毅志助教らと共同研究グループを立ち上げ、コンピュータ囲碁大会や講習会などを開催。09年に伊藤助教、羽生棋士と共著した「先を読む頭脳」(新潮文庫)が出版されたほか、未来大で羽生棋士の講演会を行うなどさまざまな方法で思考ゲームの振興を図ってきた。
研究者を志したのは「鉄腕アトムのようなロボットを作りたい」と思ったから。人間の知能の仕組みを解き明かそうと、思考ゲームの1つ「将棋」の研究に20年以上前から情熱を傾ける。学会などで研究成果を発表する場も設け、後輩の育成にも貢献している。
「情報処理は一般的に研究成果が分かりにくい分野だが、思考ゲームの場合、コンピュータ将棋と人の対決など技術の進展が分かりやすいのが良い点。活動が高校生にも情報系に興味を持ってもらい、大学を目指すきっかけになれば」と話している。
提供 - 函館新聞社
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