「新幹線で連携を」…北海道・東北19市町が意見交換
update 2010/4/16 09:13
【青森】今年12月の東北新幹線全線開業を前に、北海道・東北の新幹線沿線計19市町の首長らが一堂に会し、新幹線を契機に広域連携を探る意見交換会が15日、青森市内のホテルで開かれた。道南からは函館市、北斗市など6市町が参加、それぞれの立場から新幹線の開業効果や課題、東北との広域連携の必要性などについて話し合い、「北海道新幹線の一日も早い全線開業に向けて努力する」とする決議を全会一致で採択した。
会合は上田文雄札幌市長が呼びかけ、道新幹線建設促進関係自治体連絡協議会(会長・上田市長)が主催した。道内からは札幌市と小樽市、倶知安町、長万部町、八雲町、七飯町、函館市、北斗市、木古内町が参加。東北からは青森市、盛岡市、仙台市など10市町が参加した。
一行は会合に先立って東北新幹線新青森駅を視察。新幹線ホームや、13日に試験走行が始まったばかりの試験車両「イーストアイ」などを見て回った。
午後4時から開かれた会合では上田市長のあいさつに続いて、西尾正範函館市長が講話。2015年度の新函館駅(仮称)開業に触れ、「北海道と東北をつなぎ、圏域が力を合わせて北日本をつくる上で、新幹線の存在は非常に大きい」と強調。「観光だけではなく、生産や研究に向けた都市間交流を進めたい」と述べた。
会合は開業効果をはじめ、並行在来線や観光振興などのテーマを設けて行われ、北斗市の滝口直人副市長は並行在来線問題に関し、新幹線開業でJR江差線の五稜郭―木古内間37.8キロが経営分離されることについて「(第3セクターで鉄路を存続した場合)安定的な運営には財源が一番の問題となっている」などと説明。中宮安一七飯町長は町内に建設中の総合車両基地について「基地そのものが町にとって一番の企業誘致。一日も早い札幌延伸に向け取り組んでいきたい」と述べ、各自治体に協力を呼び掛けた。
西尾市長は終了後、函館新聞の取材に対し、「新幹線は点ではなく線。東京だけ見るのではなく、地域間交流を進めるためにいいきっかけになった」、北斗市の滝口副市長は「八戸などの先進事例を聞いて、並行在来線問題の厳しさを改めて実感した。市としては鉄路を残す考えだが、今後協議会の場などで話し合っていきたい」とした。
また木古内町の大森伊佐緒町長は「広域観光に向けた先進地のケースが分かり、有意義な会合になった」と話した。
提供 - 函館新聞社
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