6割超が中小企業 安全管理対策不足 函館労基署09年まとめ

update 2010/4/15 14:30

 函館労働基準監督署は2009年の労働災害発生状況をまとめた。全産業の労災件数(休業4日以上の死傷病者)は前年比12件増の505件で、死亡災害は1件増の7件だった。このうち、約64%に当たる325件が従業員50人未満の事業所で発生。30人未満に限っても261件と、中小零細企業で災害が多発している。同労基署安全衛生課では「全国的に中小企業は大企業と違い、安全管理対策にコストをかけることができず、おろそかとなる傾向がある」としている。

 主な産業別の発生状況は、製造業は12件減少の128件で、水産食料品が56件、その他食料品が22件と食品製造業が大半を占める。作業中に挟まれたり、巻き込まれたりする機械装置にかかわる事故が55件と多い。建設業は23件増の77件で、高所からの墜落・転落が23件と目立つ。公共工事に比べ、民間工事の現場での事故が多い傾向にある。このほか、道路貨物運送業が3件減の44件、林業が7件増の16件、漁業で15件増の31件となっている。

 死亡災害では、七飯町の産廃処理業者の資材置場で、男性作業員(36)が倒れた鋼材(約4トン)の下敷きとなった「崩壊・倒壊事故」や、函館市内の電柱移設工事現場で、荷下ろし作業中の男性運転手(38)に電柱をつり上げていたワイヤが破断してぶつかった「飛来・落下事故」など7件が発生した。死亡に至らないケースでも、休業1カ月以上となった重大な負傷災害も265件と半数以上となっている。

 こうした災害に対し、労基署は安全管理上に問題があっったとして、3割に当たる147件を指導した。同課は事業所に対し、自主的な取り組みとして作業中の「ヒヤリ・ハット」した事例を従業員間で共有することや、危険予知活動、安全管理の当番制を導入することなどを推奨する。また、職場内の作業を見直し、危険性や発生によるリスクを見積もる「リスクアセスメント」の取り組み普及にも努めている。

 同課は「大半の労働災害は適切な対応をしていれば、防ぐことが可能。社員への教育や安全対策の見直しを徹底してもらいたい」としている。

提供 - 函館新聞社




前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです