啄木日記の欠けていた2ページが見つかり市中央図書館に
update 2010/4/13 09:52
13日の啄木忌を前に、石川啄木が記した「明治44(1911)年当用日記」の欠けていた2ページが12日までに、同日記の原本を収蔵している函館市中央図書館に寄託されていたことが分かった。啄木の資料の保存活動などを行っている「函館啄木会」(岡田弘子、宮崎郁子代表理事)が入手したもの。岡田代表理事(85)は「あるべき場所に、なくなっていたページが戻ってきてうれしい」と喜んでいる。
欠けていた2ページは、東京都文京区の古書店「森井書店」の森井健一さんが昨年12月に発見。その後、「石川啄木記念館」(岩手県盛岡市)の学芸員に連絡があり、同学芸員から函館市文学館に知らされた。
市文学館から発見の知らせを伝えられた同会は、市中央図書館の協力を得ながら見つかった2ページの鑑定を実施。市中央図書館に所蔵されている原本の切れ目と照合し、紙の質、筆跡などから本物と認め3月に購入した。岡田代表理事は「盛岡の学芸員さんが『本来あるべき場所へと』と考え、ご好意でこちらに知らせてくれた。本当にありがたい」と話す。
今回発見された日記は、同年の4月26、27日分。土岐哀果と発刊を計画していた「樹木と果実」を印刷所の倒産などにより断念した上、体調がすぐれなかった時期のもの。「昨夜は2時半頃まで眠れなくて弱った」などと、精神的にも肉体的にも苦しむ胸の内を吐露した内容だ。
啄木の日記は39(昭和14)年に9冊が市中央図書館に寄贈された。その際「明治―」は遺族の意向で手元に残され、93年の市文学館オープン時に寄贈されていたという。
同会は13日午後2時から「啄木忌追悼会」(参加費1000円)を住吉町16の東海山地蔵堂で開く。「啄木と朔太郎」と題した追悼講演も行う。希望者は直接会場へ。
提供 - 函館新聞社
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