瀬田来部落会議録を発見

update 2010/4/11 09:39

 函館市瀬田来町会(細田レイ子会長)でこのほど、1951年当時の会議録が発見された。2004年12月1日に合併した旧戸井町の町史にも記されていない記述もあり、研究家は「当時の日常を知ることができる貴重な資料」と驚いている。

 会議録は、代々次の会長へと渡されてきた。存在は日の目を見ることはなかったが、旧戸井町の町史を研究している函館市戸井支所の松澤ゆかりさん(51)が、細田会長の自宅を訪問した時に見つけた。「戸井町の資料はあまり残っておらず、見た瞬間に貴重なものだと思った」と松澤さんは話す。

 会議録は、1951年2月に、瀬田来部落会の結成を機に作られた。中学校の運動場の地ならしのために出た道からの補助金の使い道や、昆布の繁殖のために海に投石を行う段取りなどを、会議で決定していたことがうかがえる。また、54年8月に昭和天皇が行幸で函館を訪れた際の記述や、同年9月に洞爺丸台風のとき、瀬田来地区が被った影響なども細かくつづられている。

 市立函館博物館(青柳町17)の佐藤智雄主任学芸員(51)は「部落会が行政の根幹を担ってきたという事実が良く分かる。『自分たちのことは自分たちでやる』という強い自負があったのでは」と分析。「歴史の年表に記述される出来事ではないのかもしれないが、この会議録は瀬田来地区の歴史の証人。ぜひ残すべき」と訴える。

 松澤さんは「まだ知られていない戸井町の歴史に光を当てることができる。普段の仕事でも瀬田来の情報を提供することに活用したい」と語っている。

提供 - 函館新聞社




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