金剛像と仁王門修復作業始まる

update 2010/4/11 09:39

 【木古内】町鶴岡の曹洞宗禅燈寺(好野秀哲住職)の仁王門(山門)と金剛像の修復作業が10日、始まった。金剛像が造られた当時、100年ほど前の写真も関係者から届けられ、写真をもとに京都で修復が行われる予定だ。好野住職(47)は「当時の写真が残っているとは思わなかった。写真の通りに修復してもらえれば」と話している。

 同寺は、鶴岡地区に入植した旧山形鶴岡藩士らの要請によって1902(明治35)年に本堂が建てられた。仁王門は17(大正7)年に完成。2階建てで高さ9・5メートル、幅は10・6メートルあり、2階は鐘つき堂となっている。93年の北海道南西沖地震の影響で仁王門の壁がひび割れるなどしていた。

 2体の金剛像は高さ2・4メートルで、明治から大正時代にかけて松前、函館市内に工房を構え活躍していた仏師、初代風間壮慶(1860―1919)の作。

 仁王門と金剛像の修復を行うことを決めた直後の昨年秋、後志管内岩内町在住の三代目風間壮慶さん(76)の関係者が「初代風間壮慶の作品はないか」と同寺に照会したことをきっかけに、三代目から当時の写真が提供された。写真には初代風間壮慶と2体の金剛像が写っており、「木古内村禅燈寺」とある。

 同寺総代会総代長の佐藤悟さんは「風間壮慶の作とは聞いていたが、寺には古い文献や資料などがなく、はっきりしたことがこれまで分からなかった」と喜ぶ。

 金剛像は昭和に入ってから表面の色を塗り直した形跡もあり、好野住職は「今とはまるで違う表情をしている。写真を見たときは驚いた」と話す。写真の提供を受けたことについても「不思議な縁を感じる。これも仏縁でしょうか」と語っている。

 6日には魂抜きと工事の安全を祈願する法要が行われ、檀家や工事関係者らが工事の無事を祈った。10日は修復にあたる京都の仏具製造業者らが同寺を訪れ、仁王門から2体の像を慎重に運び出した。

 金剛像と仁王門の修復は今年10月いっぱいまでかかる見通しで、11月に開眼法要が執り行われる予定となっている。

提供 - 函館新聞社




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