妹の生きた証し、大切な宝物に…

update 2010/4/9 09:17

長年、若年性リウマチを患い今年1月6日に急逝した石田百合子さん(享年40歳)が、昨年12月に函館芸術会議(HAM)主催のライブに出演した際の映像を収めたDVDなどが、このほど石田さんの兄・正幸さん(48)に寄贈された。DVDには石田さん自作の詩にメロディーがつけられた楽曲も収録されていて、正幸さんは「妹が残した生きた証を大切な宝物にしたい」と話している。

 HAM(木村公一代表)は健常者と障害者が芸術活動を通じて交流することを目的に2008年に設立。木村代表は昨年6月に函館で行われたDPI(障害者インターナショナル)会議全国大会で司会の大役をこなす石田さんと初対面。石田さんが長年にわたって書き溜めた大学ノート2冊分の詩を預かり、函館芸術会議のメンバーに作曲を打診したところ、HAMの筆頭副議長でもあるシンガーソングライターのマックス(本名菔東宏道)さんが「タバコ」という詩を選び、昨年12月に函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で行われたクリスマスライブで、石田さんを隣にしたステージ上で初披露した。

 この時に初めて自分の詩に曲がつけられたことを知った石田さんは「とても素敵な曲になってうれしい」と大喜びだったという。マックスさんは「石田さんの詩はとても重い内容が多いが、その中でも『タバコ』は比較的軽めで曲に載せやすかった。今後はほかの詩にもチャレンジしていきたい」と意気込んでいたが、突然の訃報にショックを隠しきれない。

 木村代表は「石田さんの残した軌跡を家族の皆さんにも伝えたい」と、ライブの映像や石田さんの写真などを、マックスさんとともに正幸さんに手渡すことにした。正幸さんは「幼いころから病院や施設に入りっきりで、妹と一緒に過ごす機会は少なく、詩を書き残していたことも知らなかった。彼女の生前の活動を収めた貴重な記録を残してくれたことに大変感謝している」と感激の様子だった。

 木村代表は「私自身も石田さんが亡くなったショックからまだ立ち直っていないが、彼女の思いを引き継ぐためにもHAMの活動を活発化させていきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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