高齢者虐待防げ 函館市が対策組織設立へ
update 2010/4/5 15:45
函館市は本年度、介護を受ける高齢者への虐待に対応する組織を立ち上げる。地域包括支援センターや医療・介護関係者、住民組織、司法関係者、警察などに参加を呼びかけ、5月以降の発足を目指す。市福祉部は「高齢者の虐待は潜在的にかなりある」と推定。「深刻な問題としてとらえ、体制を強化して積極的に働きかける必要がある」とする。
高齢者虐待は@暴力をふるって体に痛みを与える「身体的虐待」A脅しや侮辱などの言葉や威圧的な態度、無視などの嫌がらせをする「心理的虐待」B本人が嫌がる性的な行為を行ったり強要する「性的虐待」C本人の合意なしに財産や金を使う「経済的虐待」D介護や世話を放棄する「ネグレクト」―などがある。同部は「身体的虐待とネグレクトの事例が多いが、重複する場合もある」という。
同市に寄せられた高齢者虐待通報件数は、2006年度が18件、07、08年度はそれぞれ10件だった。しかし、高齢者の身近な相談窓口ともなっている地域包括支援センターの事例を含めた09年度(12月末現在)は29件となった。同部は「家族間の問題として事件にならない場合もあるが、市内で死亡事例もある」と現状を厳しく受け止め、「表面化しなくとも潜在的にはもっとたくさんの虐待事例があると考え、可能な限りの対策を早急に考える必要がある」と話す。
市には現在、子どもの虐待に対する組織があり、形態などはこれを参考にする。基本になるのは年2回程度開催する全体会で、情報交換や連携のあり方などを検討し、住民への啓発活動も行う。個別のケースに合わせた検討会議では、各事例への支援方法を協議するなかで、年度内をめどに虐待発生時の対応マニュアルを作成。道のマニュアルはあるが、市内の事情を考慮して市独自のものを作る。
事業費は約35万円で、マニュアルやチラシの印刷費用などを見込む。高齢者の虐待に対する相談や問い合わせは、市介護高齢福祉課内の高齢者・介護総合相談窓口TEL0138・21・3025。
提供 - 函館新聞社
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