日銀2月の道南経済動向 観光や設備投資復調

update 2010/4/5 15:43

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)が発表した2月の道南地方の金融経済動向によると、持ち直し傾向にあった公共投資に頭打ち感がみられた一方、民間の設備投資や観光に復調の兆しがあり、景気判断を「非常に厳しい状況が続いているが、持ち直しの動きや下げ止まりの兆しもみられる」と3カ月連続で据え置いた。

 個人消費は3カ月連続で「耐久消費財を中心に持ち直している」と判断。主要小売店10社の売上高は春物商戦が不振だったものの、百貨店の催事効果もあり、前年同月比1.5%増と2カ月ぶりに前年を上回った。家電販売は洗濯機や冷蔵庫などの白物家電が振るわず新生活商戦は低調だったが、エコポイントの対象外となる薄型テレビなどに駆け込み需要もみられた。

 新車登録台数は、軽乗用車が同5.0%減と2カ月ぶりに減少したものの、普通・小型車はエコカー減税など政策効果で新型ハイブリッド車や低燃費車を中心に堅調な売れ行きが続いていて、同35.7%増と7カ月連続で前年実績を上回った。

 設備投資は過去3カ月が高水準で推移し、3月の道南の企業短期経済観測調査(短観)でも前回(昨年12月)から上方修正している企業も目立つことから、「下げ止まりつつある」と判断を2カ月ぶりに上方修正した。2月の非住宅着工は棟数(同33.3%減)、床面積(同88.8%減)とも目立った動きがなく、4カ月ぶりに減少に転じた。

 観光は「下げ止まりの兆しもみられる」と判断を据え置き。主要ホテル20社の宿泊客数は同0.2%減とほぼ前年並みを確保した。函館空港乗降客数は低迷した前年の反動増もあるが、同2.4%増と2カ月連続でプラスに推移。中でも国際便客が同22.6%増と20カ月ぶりに前年を大きく上回り、回復基調にある。

 一方、公共投資は前月までの「持ち直しの動きに頭打ち感がみられる」から「頭打ちとなっている」に下方修正。公共工事請負額が同36.6%減と3カ月連続で前年割れとなったほか、年度累計でもほぼ前年並みの水準に落ち着き、「公共工事の前倒し発注などの景気対策効果が薄れてきた」(同支店)という。

 先行きについて市川支店長は「道南ではウエートの大きい公共投資の抑制が景気を下押しする恐れはあるが、これ以上の急速な景気悪化は考えにくい。観光や耐久消費財など消費関連がさらに底堅さを増せば、緩やかな持ち直しの局面に入る可能性がある」としている。

提供 - 函館新聞社




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