日銀7月の道南・景気「非常に厳しい」

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は1日、7月の道南地方の金融経済動向を発表した。雇用環境の悪化に歯止めが掛からず、天候不順が個人消費や観光面にも影響し、景気判断を「一部に下げ止まりの兆しも見られるが、非常に厳しい状況が続いている」として、2カ月連続で据え置いた。

 個人消費は前月に続き「全体として弱い状況が続いているが、一部に明るい兆しもみられる」と判断。基調として不振が続く一方、主要小売店10社の売上高は函館市内のプレミアム商品券の発行や、丸井今井函館店の閉店セールが好調だったこともあり、前年同月比2・0%減と下げ幅は縮小した。

 家電販売はエコポイント制度効果で、薄型テレビやDVD・ブルーレイレコーダーが堅調。新車登録台数は普通・小型車が同2・4%減と2カ月ぶりに前年割れとなった。8月は軽自動車も含めて約1年ぶりにプラスに転じる情勢で「エコカー減税など政策効果が続いている」としている。

 観光は「非常に厳しい状況にある」と判断を据え置き。主要ホテル宿泊客数(20社)は同6・6%減、函館空港の乗降客数は同17・6%減となり、ともに15カ月連続の前年割れとなった。ただ、新型インフルエンザの悪影響が一段落したほか、前年のサミット開催の反動増もあり、前月と比べて減少率は縮まった。

 生産は電子部品の在庫調整が一巡し「持ち直している」ものの、水産加工が消費低迷に伴う節約志向の高まりから、売上高ベースで同14・8%減と、下げ幅が前月(前年同月比4・0%減)より大幅に悪化。農漁業では天候不順が響き、野菜の出荷額が前月(同8・8%減)に続き、同5・0%減と例年になく不作の様相を呈している。

update 2009/9/2 12:15
提供 - 函館新聞社


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