支庁再編 産業振興部門の集約撤回
【江差】支庁制度改革に伴う渡島など9総合振興局と、桧山など5振興局の組織再編をめぐり、道が産業振興部門の1課集約などの当初案を撤回し、現在の支庁の組織体制をほぼ踏襲する修正案を検討していることが8月31日までに分かった。1日にも道議会の関係委員会に報告する見通し。
総合振興局は4部体制、振興局は3部体制とする基本的枠組みは、6月に公表した素案通りだが、現在の産業振興部に属する、農務、農村振興、水産、商工労働観光、建設指導の5課を「地域産業課(仮称)」に集約する方針は撤回し、現状の課体制を維持する。素案では、支庁課長の格付けを本庁課長級に引き上げる方針だったが、管理職ポストの増加は行革に逆行するとして反発する、道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)などの意見を踏まえて、修正案では現行通りの本庁主幹級に戻した。総合振興局長・振興局長は本庁部長級、次長は本庁次長級、各部長と新設する“室長”ポストは本庁課長級とする方針。
土木現業所は総合振興局の内部組織に取り込み「社会資本部」に改称する方針だったが、市町村から「名称が分かりにくい」との意見が多く「建設部」に変更。素案は、土木現業所を取り込んだ総合振興局が、振興局地域の土木行政を所管するとしたが、振興局地域に総合振興局長の権限が及ぶことは、振興局の独立性を保持するとした改正支庁再編条例に矛盾するとして、市町村が異論を唱えており、建設部長が「振興局参与」の役職をを兼務する形を取り、制度上の整合性を持たせる。
総合振興局・振興局の組織構成が、現行の14支庁を踏襲する形となったことで、道と江差町などの振興局地域や道町村会との協議は、一定の進展も期待されるが、振興局から総合振興局に移管する広域事務の内容をめぐる隔たりは大きく、支庁再編をめぐる議論は今後も難航が予想される。
提供 - 函館新聞社
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