7月の道南 有効求人倍率0・29倍
函館公共職業安定所は26日、7月の渡島・桧山管内の雇用失業情勢を発表した。有効求人倍率は前年同月を0・18ポイント下回る0・29倍に落ち込み、ITバブル崩壊後の2000年1月の0・28倍以来、9年6カ月ぶりに0・30倍を割り込んだ。仕事を求める10人に3人未満しか仕事がない「危険水域」(同職安)に突入し、道南の雇用情勢の深刻さが浮き彫りになった。
これで07年7月以降、25カ月連続で前年同月割れとなり、比較可能な統計が残る1998年4月以降、最長のワースト記録を更新し続けている。同職安は管内の情勢判断を前月までの「一段と厳しい状況にある」から「一段と厳しさが増している」へと3カ月ぶりに下方修正した。
有効求職者は前年同月比17・6%増の1万1735人で、急速に景気が悪化した昨年9月以降、11カ月連続で増加。一方、企業からの有効求人は3393人と前年同月に比べ28・1%減と大幅に減少し、雇用環境の悪化に歯止めが掛からない状況だ。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は同0・24ポイント減の0・61倍で、16カ月連続の前年割れ。特に新規求人が同20・0%減と3カ月連続で2割以上落ち込んだのに対し、新規求職者は同10・5%増と増加傾向が続いている。事業主都合による離職者も同27・4%増と、前月(同27・1%増)に続いて大きく増えている。
産業別の新規求人では昨年相次いで新規出店した函館市内のスーパーの反動減で、卸売・小売業が同47・8%減と落ち込みが激しく、宿泊・飲食サービス業も同43・6%減と観光客の減少や消費低迷のあおりを受けた。同職安は「7月(の求人)は例年、夏枯れの傾向にあるが、今年はさらに不況が追い打ちを掛けた。8月も丸井今井の離職者やスーパーの閉店などもあり、数字を押し下げる求職者の増加要因が目立つ」としている。
提供 - 函館新聞社
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