仮囲い撤去 奉行姿現す

 国の特別史跡「五稜郭跡」で行われている「箱館奉行所調査復元工事」で23日、復元した建物全体を覆っていた仮囲いが、完全に撤去された。この日は撤去途中の骨組みが風などで倒れてしまわないよう、休日返上で作業。耐荷重量が最大で120トンのクレーン5台を使い、長さ33b重さ5.8トンの大はりや、巨大な柱などを取り去った。

 仮囲いは周囲190メートル、高さ20メートル。撤去は7月上旬に開始し、この日はわずかな柱やはりを残すのみとなった。作業員は声を掛け合って安全を確認しながら、地上20bの高さで囲いの骨組みを固定する部材を一つずつ慎重に解体。異なる色でむらを表現した瓦屋根は、太陽の光を受けてキラキラと輝いていた。

 現場周囲は塀で囲われているが、出入り口などから市民や観光客が作業の様子を見守った。函館市田家町の男性会社員(60)は「クレーンがたくさん見えたので散歩がてら見に来ました。立派なので完成したら中に入ってみたい」と話していた。

 同奉行所は五稜郭跡の中心にあった建物で、庁舎全体の3分の1に当たる約1000平方メートル(平屋)を復元中。2006年7月に着工し、10年6月の完成、同秋の公開を目指す。

update 2009/8/24 11:19
提供 - 函館新聞社


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