シベリア鉄道で物流強化…日ロ沿岸市長会議開幕
第22回日ロ沿岸市長会議・ビジネスフォーラム(日ロ沿岸市長会など主催)が19日、函館国際ホテルで開幕し、初日は両地域の経済協力や貿易振興について発表や意見交換をした。新潟市の篠田昭市長らが、シベリア鉄道を活用した物流ルートの確立を提言し、ロシア側からは経済交流を促進する拠点や機能をつくる考えが伝えられた。
日本18市、ロシア極東10市の市長らと、両国の貿易業者や観光業者など合わせて約120人が出席。函館市の西尾正範市長が「両地域間の経済や観光の交流が促進される契機となるよう、会議に期待します」とあいさつした。
基調講演でロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のミナキル所長は「ロシア極東への諸外国の投資は増えているが日本からは小さい。有望な協力分野はエネルギーや加工産業の設備更新、バイオテクノロジーなどで、どのような経済活動も地域や都市で行われている」と都市間協力の可能性を強調した。
両地域の経済交流発展について、篠田新潟市長は「姉妹都市3市とは本格的な経済交流に発展し、物流・人流の強化が喫緊の課題」と述べた。ウラジオストク市のズブリツキー副市長は「アジア太平洋地域の経済協力は欠かせず、ウラジオに外資の導入や外国の企業活動参入を促す国際経済交流促進センターをつくりたい」、ハバロフスク市のソコロフ市長も「ロシアの投資プロジェクトに積極的に参加してほしい」と呼び掛けた。
ただ、ロシア極東との貿易や経済交流に向けた課題として▽ロシア経済に占める極東地域経済の比率は4・5%と低い▽極東地域の人口は650万人程度で、中国沿岸部は約4億人▽ロシアは世界150カ国以上が加入しているWTO(世界貿易機関)に未加盟で、「世界経済のルールが適用されない」(進出企業)― などの指摘もあった。
20日は観光をテーマに議論し、参加各都市が共同コミュニケに調印する予定。
提供 - 函館新聞社
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