支庁再編 基本フレーム見直しへ…管理職ポスト格上げなど

 【江差】支庁制度改革をめぐり道は19日までに、6月に公表した9総合振興局と5振興局の組織体制を示す「基本フレーム(素案)」を大幅に見直す方針を明らかにした。素案で打ち出した、14支庁の管理職ポスト格上げや産業振興部門の集約化などの方針は、市町村などの反対意見に配慮して事実上撤回。現在ある14支庁の組織体制を基本に再検討を進める考えを示した。

 市町村や道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)から寄せられた素案に対する修正意見への回答として示した。

 現在の14支庁では、支庁長に本庁部長級、部長に本庁課長級、課長は本庁主幹級を充てている。素案では、支庁再編に伴い部長は本庁次長級、課長も本庁課長級に格上げする方針を示していた。しかし、14支庁全体で次長級50人、課長級150人もの管理職ポストが新たに増え、人件費などのコスト増加が懸念されるとして、道町村会などは「管理職を増やして一般職員を削減するのは本末転倒。行革に逆行する」として反発。道は現行の格付けを基本に管理職の体制を再検討する方針を示した。

 また、農務、農村振興、水産、林務、商工労働観光の5課からなる支庁の産業振興部門について、素案は「地域産業課(仮称)」の1課に集約するとした。だが、関係市町村からは「産業部門の重視を求める地方の要望に反する」との反対意見が相次ぎ、道は現在の課体制を維持する方向での再検討を余儀なくされた。支庁再編に伴い、桧山などの振興局地域で廃止を検討していた教育局の位置付けについては「14教育局体制を基本に機能や組織体制を検討する」として存続を明言した。

 また、道は職員数適正化計画に基づき、本年4月1日現在で9400人に上る支庁職員を、2014年度までに7400人まで削減するとの試算も明らかにした。桧山振興局に名称変更する桧山支庁をはじめ、14支庁ごとの削減数や職員配置数は明らかにしていない。

 道は支庁再編条例を施行する予定の10月までに、基本フレームをめぐる協議を終える方針だったが、市町村などから「十分な協議時間がない。地方の合意を前提に協議を進めるとした道町村会など地方4団体との合意に反する」として条例施行の延期を求める声も相次ぎ、施行期日の決定は不透明な情勢にある。

update 2009/8/20 09:43
提供 - 函館新聞社


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