知的障害の2人、仕事に励む
軽度の知的障害がある山田恭一さん(20)と窪綾香さん(19)=いずれも函館市在住=が市内のビルメンテナンス業の名美興業(阿相博志社長)にパート社員として就職した。2人とも函館温泉ホテル(大森町)に派遣され、客室清掃などの業務を担当し、生き生きと仕事に励んでいる。
2人は3月に道立函館高等技術専門学院(桔梗町)の知的障害者を対象に職業訓練を行う販売実務科を修了した。名美興業は2005年度から同科訓練生の職場実習を受け入れ、山田さんと窪さんも時期は異なるが在学中に同ホテルで実習を体験し、今回採用に結びついた。
山田さんは4月からの試用期間を経て7月に正式採用となった。「最初は分からないことばかりだったけど、(上司の)厳しい指導も自分のため。この会社で活躍できるように頑張りたい」と張り切る。主な業務は客室にある電気ポットのお湯の入れ替えなど宿泊客を迎える準備や、館内のガラスふき。8月末には初めての給料が振り込まれる山田さんは「働いて給料がもらえるのはうれしい。周りに迷惑がかかるから責任持って仕事をしないと」と気を引き締める。
窪さんは5月から勤務する。ベッドメーキングや客室清掃を担い、「お客さんに喜んでもらえるとやりがいを感じる」と話す。同科の訓練でコミュニケーション技術を学んだという窪さんは「職場でいろんな人と話せるようになり、コミュニケーションを取ることで仕事もスムーズになった」と実感する。窪さんは現在、家族4人暮らし。「ミスがないように仕事を頑張り、いつか1人暮らしをしてみたい」と夢を語る。
パート社員をまとめる同社の柏清子主任(61)は「2人ともまじめ。窪さんは注意することがほとんどない。山田君は明るくて職場のムードメーカー」と2人を見守る。現場責任者の小林潔所長(55)は「若いから動きが早いし、貴重な労働力になる。障害が影響するような業務ではないので、障害者を雇用する道をつくるきっかけになれば」と話す。
提供 - 函館新聞社
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