強制連行された同胞追悼…朝鮮総連が慰霊祭
戦時中に朝鮮半島から日本に強制連行され、祖国に戻ることなく死亡した朝鮮人らを追悼する「同胞慰霊祭」(朝鮮総連函館支部主催)が8日、函館市船見町の朝鮮人慰霊塔で行われ、犠牲者の冥福を祈った。
戦時中の道南では、強制連行された朝鮮人らが旧戸井線や松前線の鉄道工事など過酷な労働に従事し、その多くが命を落としたと伝えられている。同支部ではそれらの仲間を追悼しようと、納骨堂を兼ねた慰霊塔を建立した1990年から毎年この時期に慰霊祭を行っている。
同支部や在日本大韓民国民団(民団)函館支部のメンバーのほか、地元選出の道議や市議ら約20人が出席。朝鮮総連函館支部の崔英学委員長(34)は「海の向こうに祖国を望むこの地は在日朝鮮人のルーツを考える場として重要な意味を持つ。異国の地でなぜ永眠したのか、一人一人かみ締めて」とあいさつ。
出席者は遺骨18柱が納められた慰霊塔内の祭壇で、一人ずつ焼香しながら手を合わせていた。崔委員長は「今年で19回目を迎えたが、慰霊塔の存在や多くの朝鮮人が亡くなった事実を知らない人も少なくない。今後は慰霊塔の保存や遺骨の引き取りも含め、強制連行などを考えるきっかけにしたい」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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