大原麗子さん死去に市民から惜しむ声

 東京の自宅で死亡したことが6日分かった女優の大原麗子さん(62)は、1983年の映画「居酒屋兆治」(降旗康男監督)の撮影で函館を訪れていた。存在感のある演技で市民に親しまれた女優の突然の訃報(ふほう)に、地元ロケでかかわった住民の間にも驚き、惜しむ声が上がった。

 函館市中島町にある「中島廉売(れんばい)」では、主演の高倉健さんも参加してロケが行われた。当時、酒屋を営んでいた川井宏さん(76)の妻、遼子さん(69)は「不幸な女性の役に入り込み、周囲の様子に一切表情を変えない本物の女優。年齢を感じさせない落ち着きがあり、まるでお人形さんのようだった。ニュースを見てびっくりした」と振り返る。

 エキストラとして参加した同町の「カメラのカンコー堂」の山崎ケイ子さん(75)も「大原さんの死を知り、人でにぎわった撮影時の魚屋通りを思い出した。さみしげな様子が役にぴったりだったけどかわいそう」と語る。「中村商店」の中村信子さんは「きれいな人で何度もヘアメークを直していたのが印象的」とし、「鮮魚ささき」の当時社長だった佐々木仁さん(75)も「女優としてまだ現役の年齢だったのに気の毒」と惜しむ。

 撮影期間中、大原さんがかばんを買いに訪れた松風町のかばん店「松坂屋」の店長、阿部恭子さんは「体が細く、顔も小さくてかわいらしかった」と語る。同店で購入したかばんが劇中スクリーンに映ったという。金森倉庫近くで行われたロケを見に行った函館市海岸町の「喫茶店サラブレット」の店主、照井恵子さんは「細くてかわいらしい人。孤独死が映画のラストシーンと重なり、親の介護も大変だったろうと思うとかわいそうで涙が出た」とショックを隠さない。

 ロケを手伝ったカフェやまじょうの店主、太田誠一さんは「清楚で芯の強い印象があった。ああいう小悪魔的でかわいらしいタイプの女優さんが亡くなり本当に残念」と悔やんだ。

update 2009/8/9 01:40
提供 - 函館新聞社


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