長雨、日照不足…農作物に影響じわり

 7月の長雨と日照不足の影響が、渡島管内の農作物に広がり始めている。七飯町ではニンジンの収穫が昨年に比べ大幅に減少し、牧草の生育も遅れている。北斗市では今月から収穫が始まる長ネギへの影響を懸念する声も。今後、道内全体で作物の収穫減が予測され、小売店では対策に頭を悩ませている。

 日本気象協会北海道支社によると、函館の7月の降水量は平年の約3.14倍となる334.0ミリを記録。太平洋高気圧の張り出しが弱かったことで、同月の日照時間も函館で94.2時間と、平年の63%にとどまった。

 新函館農協本店によると、7月中に七飯町で収穫されたニンジンは4712トンで、本年度計画対比の62%に落ち込んだ。同本店営農課は「作付面積も計画から1割減っている。ニンジンが割れたり、黒いしみが出るなど品質への影響も大きい」と話す。同町や北斗市では今月から露地栽培の長ネギの収穫も始まるが、水がたまっている畑も多く、生育は1週間ほど遅れている。

 5月から約400頭の牛を放牧している七飯町営城岱牧場では、牧草の生育が悪化。10月中旬までの放牧を予定しているが、町農林水産課は「半数を今月中に各畜産農家に下ろすことも検討している。このままでは食べる牧草がなくなってしまう」と困惑気味だ。

 道内産、地元産の入荷がこれから本格化する卸売市場への影響も出始めている。

 函館市青果物地方卸売市場では、7月中は本州産の取り扱いが中心で野菜全体の入荷量は前年並みだったが、卸売価格は前年同期と比べるとやや高めに推移。すでに道内産の入荷に切り替わり始めているジャガイモの平均単価(1キロ)が156円と前年同期比で1.5倍となったのをはじめ、タマネギが121円(同1.4倍)、トマトが297円(1.3倍)と高騰が目立つ。今後、道内産の取り扱いが中心になると入荷量はさらに落ち込み、市場課は「卸売価格は2割から3割上がるだろう」と見ている。

 小売店にも、値上がりの影響が出始めている。地元産を中心に扱うグルメシティ北海道では「昨年と同じ規格で売ったら2割から3割値上がりする種類もある」とこぼし「今は何とか自助努力で価格を抑えているが、今後収量が回復するのかどうか気掛かり」と頭を悩ませている。

update 2009/8/4 13:03
提供 - 函館新聞社


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