「函館丸井今井」誕生

 経営再建中の道内老舗百貨店「丸井今井」(札幌市)は31日、スポンサーの三越伊勢丹ホールディングス(HD、東京)が設立した子会社「札幌丸井今井」(札幌市)と「函館丸井今井」(函館市本町32)に、札幌本店と函館店の事業をそれぞれ譲渡した。函館店も創業以来、1世紀以上続いた地元資本の経営に終止符を打ち、8月1日から同HD傘下の新体制で再出発を図る。

 函館丸井今井の社長兼店長には、丸井今井の執行役員経営政策部長の菊地敏郎(としお)氏(55)が1日付で就任。従業員は契約社員やパートを含め161人。資本金は5000万円に増資した。初年度の売り上げ目標は70億円。

 菊地社長と函館丸井今井の取締役営業統括部長に就任する橋本弘昭氏(44)は31日、函館商工会議所で記者会見し、菊地社長は「お客さまに愛され、満足を超える感動を提供できるよう、社員一丸となって商品やサービス、店舗で函館の一番店を目指したい」と抱負を述べた。

 今後の店舗運営については「函館単独での黒字化を図り、利益を上げる体質をつくらなければ」とし、新たに仕入れと販売を統括するセールスディレクター(SD)を配置。70人余りの人員削減で懸念されるサービスの低下には「営業時間の短縮で従業員のシフト勤務を廃止するなど業務改善を進めたい」と語った。

 商品展開については「地域のお客さまのニーズをできる限り受け止めたい」として低価格商品の導入なども今後検討する方針を示した。初勤務となる函館については「楽観できる経済状況ではないが、110年余りの歴史とご愛顧に感謝し、新しい丸井今井としてスタートしたい」と話した。

 札幌丸井今井の社長には、伊勢丹出身で丸井今井専務の関根純氏(62)が1日付で就任する。

 1日からの営業時間は午前10時から午後7時まで。初日は2000円以上購入した先着300人にまんじゅうのプレゼントもある。

update 2009/8/1 11:59
提供 - 函館新聞社


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