函館港上半期貿易 輸入が過去最大の下げ幅

 函館税関は28日、2009年上半期(1―6月)の函館港貿易概況を発表した。輸出は前年同期比13・1%減の98億2200万円と2期連続で減少。輸入は同61・1%減の65億1400万円と3期ぶりに減少し、統計が残る1980年以降で最大の下げ幅となった。総貿易額は同41・8%減の163億3600万円と3期ぶりに減少した。

 輸出は、主力の船舶が前年と同じ4隻だったが、額で同11・0%減の84億6100万円となり、全体を押し下げた。鉄鋼くずは価格の下落や韓国向けの需要が低迷し、同50・9%減と大幅に落ち込んだ。一方、太平洋セメント上磯工場(北斗市)が5月から11年ぶりにアジア向けの輸出を再開したのに伴い、非金属鉱物製品が全増の2億5500万円と好調だった。

 輸入は、前年上期にあった東日本フェリーの高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」(84億2900万円)の反動減が数字に大きく響いた。また、昨年急騰した穀物相場が落ち着き、小麦・メスリンが数量で同2・3%減だったのに対し、額で同55・2%減と半減した。魚介類・同調整品はロシアからのサケなどが急減し、全体で同19・6%減だった。

 同税関管内(道内と青森、岩手、秋田の東北3県)では、輸出が同40・3%減の1926億2900万円、輸入は同50・8%減の5154億8500万円となり、輸出入とも80年以降、半期ベースでは過去最大の減少率となった。輸出は世界的な景気後退に伴う需要減で、一般機械や自動車の部分品などが落ち込み、輸入は道内の製油所の定期点検に伴う稼働停止や、昨年の原油高騰の反動減で、原・粗油が同71・0%減と全体を押し下げた。

update 2009/7/29 11:05
提供 - 函館新聞社


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