金田誠一氏引退へ…21日の解散で
21日の衆院解散に伴い、当選5回を重ねた民主党の金田誠一氏(61)=8区=が引退する。函館市議4期を経て1993年、中選挙区時代の旧道3区(定数3)に社会党推薦で出馬し、初当選。国政では医療や福祉、労働、規制緩和問題などに取り組み、一貫して「弱者のための政治」(関係者)を目指した。
金田氏は「市議時代から党議拘束のない、政治家個人の良心に基づいた採決を望み、それが臓器移植法案の採決で実現した。小泉首相時代に経済原理、市場原理に任せた規制緩和の危険性に警鐘を鳴らし、それによらない第三の道を提唱したことも思い出」と回想している。
1947年、木古内町生まれ。93年の衆院選で、佐藤孝行氏(自民党)、鉢呂吉雄氏(社会党)に次ぎ当選した。2、3期目は民主党の道比例区の単独候補で当選。鉢呂氏の知事選出馬、国替えに伴い2003年の衆院選8区で小選挙区初勝利。05年9月に5選を果たしたが、06年1月に脳こうそくで倒れた。
国政では97年の臓器移植法の制定で、脳死段階で臓器移植を認める中山案の対案として、脳死を人の死としない立場からの金田案を提出。金田案は衆院で否決されたが、憲政史上、初めての党議拘束のない採決を実現した。
小泉元首相による規制緩和の失敗を追及。増車で過当競争となったタクシー業界の惨状を国会などで訴え、国土交通省がタクシー増車に規制を設ける「特定特別監視地域」を新たに設定する動きにつながった。
市議選や衆院選でともに戦った函館地区連合の渡部正一郎前会長(61)は「常に弱者の立場に立ち、雇用や医療などの人権問題に鋭敏な“信念の人”」、奥野秀雄連合後援会長(72)は「私利私欲を捨て信念を貫き、経済的、社会的な弱者に目を向けることを誰よりも重んじた政治家」と話している。
提供 - 函館新聞社
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