目指せ日本一の辛子めんたいこ 乙部で新プロジェクト
【乙部】日本一の辛子めんたいこに!―。全国最高レベルの品質を誇る乙部産のタラコを生かした「辛子めんたいこ」の新商品開発を目指す、乙部町商工会(三上岩雄会長)のプロジェクトが17日に始動した。辛子めんたいこの本場・福岡の老舗メーカーから秘伝を学びながら、商品開発や販路開拓のけん引役となる人材育成を進める。商工会は地域の食品業者や農漁業者にも技術のすそ野を広げ、辛子めんたいこの生産を本格的な地場産業に育て上げたい考えだ。
17日に開かれた「農商工連携等人材育成委員会」の初会合。食品業者、漁業者、ひやま漁協などの関係者7人で構成する。委員長の馬渕悟・道東海大教授は「原材料だけを出荷していた時代は終わり。良い製品づくりにより優れた人材も育つ」と訴えた。三上会長も「農漁業、商業が知恵を出し合い商品化に挑戦しよう」と呼び掛けた。プロジェクトは全国商工会連合会が人材育成事業に採択。費用500万円を全額負担する。道内で採択されたのは士幌町商工会(十勝管内)など4団体だけだ。
来月にも3人程度を、計画を応援する福岡の老舗メーカーに派遣。唐辛子など百種類以上の原料を組み合わせた秘伝の“漬けだれ”の製法をはじめ、品質管理や販路開拓のノウハウも学ぶ。実地研修を通じて、乙部独自の新商品開発や販路開拓など、計画の中心を担うリーダー育成も目指すという。
真冬の乙部沖では道内では珍しい「はえ縄漁」でスケトウダラを水揚げ。魚体を傷付けることなく、タラコも抜群の鮮度と味覚を誇る。福岡の有名メーカーが乙部産のタラコを仕入れるなど全国的に最高級の位置付けにある。商工会を中心に2007年度には、無添加・無着色の高級タラコ「玉粒(たまつぶ)」の開発プロジェクトを立ち上げ、食品バイヤーの高い評価を受けた。08年2月にはアラブ首長国連邦のドバイで開かれた国際食品見本市に出品した実績もある。こうした既存の製品とともに「新たに加わる辛子めんたいこを全国に発信することで『乙部ブランド』を確固たるものにしたい」(敦賀正春商工会事務局長)。
町内では今春、地場企業の大型倒産が発生。雇用確保や経済再建も急務だ。商品開発と並行して、実地研修を受けたメンバーを中心に、町内の食品業者や農漁業者にも製造技術のすそ野を広げることで、本格的な生産開始を視野に入れた人材育成と雇用の開拓にもつなげたい考え。
提供 - 函館新聞社
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