100年前の旧家が社務所客殿に 高穂神社

 函館市上湯川町2の高穂神社(澤口廣宮司)では、2010年の神社創建30周年を記念し、今年10月の完成を目指し社務所客殿を建設中で、約100年前に建てられ旧家が解体された際に発生した木材を使用し「移設復元工事」としている。澤口宮司(58)は「神道の理念はよみがえることにある。古い物を生かして建てるのは大きな意義がある」と話している。

 同神社は1911(明治44)年開基、80年に創建され、記念事業実行委が中心となり、社務所客殿、鳥居の建設などを進めている。

 使われていた旧家は、日魯漁業創業者の平塚常次郎氏の養女・千鶴子さん(95、東京在往)が住んでいたもので、同じく創業者の堤清六氏が松前町で漁師が使っていたものを購入し、大正初期に同市湯川町に移築させた。数年前に解体の依頼を受けた市内の宮大工・原田組の原田徹社長(49)が「建物を支えているヒバやカツラなどはまだ使える。何とかして残したい」と、当時から社務所建設を予定した同神社や関係者に相談し、再利用することが決まった。

 復元を前提に解体作業は慎重に行われた。木材はしばらくの間、原田社長が管理し、今年4月に着工、6月中旬に上棟式を行った。2階建てで延べ床面積は約318平方メートル。原型、間取りはほとんど同じで、かもいや敷居もそのまま使われている。梁(はり)の太さは約40センチもある大木で、それぞれが黒光りし、歴史の息遣いを感じさせている。

 澤口宮司は「エコの時代である中、素晴らしい建物を後世に残せることができ、うれしい」と話し、作業を見守っている。

update 2009/7/13 12:23
提供 - 函館新聞社


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