くも膜下出血から奇跡の復活…PG心の支えに/森町砂原・鈴木均さん

 【森】「パークゴルフが命の支え―」。さわらパークゴルフ協会相談役の鈴木均さん(59)=砂原西4=は、2001年に大動脈瘤(りゅう)破裂によるくも膜下出血で倒れてから奇跡的な回復を遂げ、5日にあったかさわらパークゴルフ場(砂原3)で開かれた同協会の例会で始球式を務めた。長い闘病生活の末にコースに帰ってきた喜びを示しながら「このゴルフ場の全ホールを回れるまで回復したい」と、新たな目標を見据えている。

 2001年11月。夫婦で経営するコンビニエンスストアでの勤務を終えた妻千鶴子さん(54)が夕方自宅に戻ると、倒れていた鈴木さんを見つけた。意識はなく、呼吸停止の状態。2時間ほど前に倒れ、誰にも気づかれないままだった。

 手術で一命は取り留めたが、医師の所見は「このままでは寝たきりの生活。会話は無理です」。家族は覚悟を決めながらも、手術の数カ月後から「(自分たちのことが)わかるかわからないは関係なかった」(千鶴子さん)とリハビリを始めた。

 97年の同協会設立時に理事として名を連ねて以降、パークゴルフに熱中。コースへの復帰がリハビリの原動力となった。退院までには丸6年を要したが、言葉も交わせるようになり、車いすもいらなくなった。一緒に協会を立ち上げた岡田富雄会長(70)は協会から鈴木さんの籍を抜かず、相談役として残した。「生命力の強さに驚いた。早く戻って来いという気持ちだった」と岡田さんは話す。

 07年11月に退院。昨年、念願だった同パークゴルフ場に足を運んだ。当時は全身に力が入らず、クラブを握ることもままならなかったが、現在は平たんな数ホールでプレーできるまで回復が進む。

 「皆さん、どうも」。例会の開会式で、鈴木さんが発した言葉はこの一言のみ。しかし、集まった約40人の仲間たちは拍手で復帰を喜び、鈴木さんも満面の笑みで応えた。「ボールを強く打って飛ばすのがだいご味。全部のコースを回れるように頑張りたい」と鈴木さん。パークゴルフへの思いが強さを増している。 

update 2009/7/12 11:54
提供 - 函館新聞社


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