「人との触れ合い大切」未来大開学10年記念・茂木さん講演会
公立はこだて未来大学(中島秀之学長)の開学10年記念講演会が10日、函館市亀田中野町の同大で行われた。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーで、脳科学者の茂木健一郎さんが、脳の持つ「創造性」のすばらしさや活性化のコツを語った。
茂木さんの専門は脳科学、認知科学。「脳と仮想」など多数の著書があり、テレビへの出演や文芸、美術評論など幅広い分野で活動している。
会場には市民や学生ら約300人が集まった。演題は「脳と創造性と『喜び』」。茂木さんは「創造性は脳が持つ最も素晴らしい働きの1つ」とし、創造性をはぐくむためには人との触れ合いや多様性が必要と強調した。
さらに、創造性やひらめきをリンゴの実に例え、函館の風土や歴史、出会いなどすべてが“土”になるとし、「良い実を成らせるためには土づくりが大事。学生の皆さんも研究だけでなく函館の暮らしを楽しみ、いろいろな経験をして」と呼び掛けた。
さらに、「人生は何があるかわからない『偶有性』の海に飛び込むようなもの」と語り、「人生にうまく対応するには感情豊かでないといけない。喜怒哀楽のバランスが良い人は、脳が人生の不確実性とうまく向き合おうとしている」と話した。
最後に「未来大が10年後、日本のすごい大学として認知されれば街も盛り上がるはず。応援している」とエールを送った。時折ジョークを交えたユーモラスな語り口に来場者は聴き入り、大きな拍手を送った。
提供 - 函館新聞社
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