江差ウインドパワー 2年連続赤字決算
【江差】江差町は6日までに、町が51%を出資する第3セクター・江差ウインドパワー(社長=森藤次雄・斐太工務店風力発電事業部長)の2009年3月期決算を明らかにした。風車の故障や売電収入の低迷などが原因で7788万円の純損失を計上した。赤字決算は前期に続いて2年連続となった。
同期の売電収入は、風車の故障や風況が予測を下回った結果、当初計画より25・6%少ない1億9548万円。本年度の事業計画は、売電収入が07年度当初の計画と同じ2億6200万円(発電量3万558メガワット時、設備利用率16・6%)とした。
同社は北海道電力との間で、01年11月から18年度末まで17年間の売電契約を締結。1キロワット時当たりの単価は、設備投資の早期回収を目的に、運転初期に利益を集中させるステップ単価方式を採用。01―06年度は14・7円だった単価は、07―10年度8・21円、11―14年度4・58円、15 ―18年度2・55円まで段階的に引き下がる。01―06年度は年間4億円前後の売電収入があったが、初めて単価が下がった前期は2億1156万円に下落し、単年度で1億7105万円の純損失を計上した。
09年3月期決算は、中歌町にあった本社屋を北洋銀行に売却したこともあり、損失額は前期よりも圧縮される形になった。しかし、01年の商業運転開始直後から問題化している、風車のずさんな配置計画や発電機の性能上の問題に加え、その後の風況の悪化や風車の故障も追い打ちを掛ける形となり、売電収入の低迷に歯止めが掛からない状態にあり、再び単価が下がる11年度以降は、経営の行き詰まりも懸念される。同社はステップ単価方式を見直し、売電単価を固定化することも北電と協議しているが、これまでの売電収入との差額を精算する必要があり、億単位の資金が必要となるため交渉は難航している。
提供 - 函館新聞社
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