ファミリーハウス「気軽に使って」
「ファミリーハウス」を知っていますか―。病院に入院する患者に付き添う家族らが低料金で宿泊できる施設だ。道内は札幌のNPO法人の呼び掛けで、下宿やアパートなどの所有者が協力し、善意で部屋を貸している。函館では4月から市内港町3の阿部久さん(53)が元下宿「あかつき荘」の空き室を提供し始めた。市内には3施設の登録があるがまだ認知度が低く、阿部さんは「気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。
ファミリーハウスは子どもが小児がんなどの重い病気で地方から都市部の病院に長期入院する際、アパートやホテルに滞在しなければならない家族の経済的、精神的な負担を軽減しようと始まった運動。1974年に米国フィラデルフィアに建設された「ドナルド・マクドナルド・ハウス」がモデルで、91年に東京の小児がん患者の家族が始めた。道内はNPO法人「北海道ファミリーハウス」(札幌)が中心となって運動を推進する。
「あかつき荘」は阿部さんの母親が数年前まで営んでいた下宿。母親が高齢のためやめたが、ファミリーハウスとして使えるようリフォームした。阿部さんは「まだ使える建物を困っている人のために活用したい」と語る。市立函館病院(港町1)まで徒歩で約15分の場所に位置し、毎日の通院が困難な患者や付き添い人が宿泊、休息できるようにする。
全7室のうち一部は賃貸だが常時ファミリーハウス用の部屋を確保。6畳の洋室でトイレ、シャワー、洗濯機、台所、ガスコンロ、炊飯器、電子レンジなどは共同利用となっている。料金は1泊2000円で冬季(11―4月)は暖房費がかかるため2800円。1室に2人宿泊する場合は2人目が半額、10日以上滞在する場合も割り引きになる。
市内には「あかつき荘」をはじめ、下宿「一竹」(海岸町)など3カ所あるがまだ利用者は少ない。同法人によると、道内には運動に協力するホテルも含め27施設あり、大学病院などがある札幌市内に利用者が集中する。
しかし、阿部さんは「函館から車で1時間も走ると医療過疎地になり、毎日の通院や入院患者への付き添いに不便を感じている人もいるのでニーズはあるはず。市内3施設を連携させ、橋渡しもできれば」と話す。
問い合わせは阿部さんTEL0138・41・5135。札幌市内の施設情報は同法人TEL011・716・4161(月―木曜午前10時―午後4時)へ。
提供 - 函館新聞社
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