衆院選めぐり姥神祭 日程にやきもき
【江差】来月上旬の衆院選投開票が取りざたされている中で、8月9日に江差町では道内最古の歴史を誇る「姥神大神宮渡御祭」が開幕する。過疎化が進み祭礼の担い手も減る中、選挙に関係する町民や投開票に携わる町職員など多くの人手が割かれかねないだけに、祭礼関係者は神経をとがらせている。
渡御祭は初日の9日が宵宮祭。10、11の両日には、13基の山車がにぎやかに町内を練り歩く。しかし、衆院解散をめぐる政局が混乱を続ける中で、解散・総選挙の時期は不透明なまま。麻生太郎首相が8月上旬の投開票を視野に入れながら解散時期を模索中に浮上しているのが、盆直前の8月9日投開票だ。
渡御祭の準備は今月中旬から本格化する。小学校が夏休みに入る下旬には各地で祭りばやしの練習が始まる。山車の巡行を取り仕切る各町の役員や祭典協賛実行委員会のメンバーも多忙を極める時期だ。こうした中で衆院選本番に突入すれば「選挙運動に携わる政党関係者は全く身動きが取れない」(ある選挙関係者)。
9日投開票の場合、祭礼の準備が佳境に入る8月上旬には、期日前投票や不在者投票もスタート。さらに投開票日には、選挙事務に当たる町職員、選挙管理委員会や投開票で立会人などを務める政党関係者など、祭礼の運営を担う多くの関係者の参加が困難になる恐れもある。ある選挙関係者は「選挙に関係する多くの顔ぶれは、祭礼の運営でも中核的な役割を務めている人が多い。祭礼を中心に1年が回っている町内では選挙どころではないという雰囲気になるのではないか」と頭を抱える。
しかし、9日は長崎原爆記念日と重なるため、1週間早い2日や土曜日の8日を投票日とする案もある。政局の動向に選挙と祭礼それぞれの関係者が気をもんでいる。また、新型インフルエンザ流行の影響で、入り込み客の減少に頭を抱える観光関係者は「祭礼と衆院選の日程が重なれば観光客の人出に影響する。長引く景気低迷に新型インフルエンザとトリプルパンチになりかねない」と語り、選挙とインフルエンザの双方に神経をとがらせている。
提供 - 函館新聞社
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