本場の味食べなはれ 大阪から移住の夫婦がお好み焼き屋

4月に長年住み慣れた大阪市から函館に移住してきた面谷樹生(めんたに・しげお)さん(65)、久枝さん(62)夫妻が7月1日、同市末広町の電車道路沿いにお好み焼き屋「エコー」をオープンする。函館は久枝さんにとって青春時代を過ごした思い出の地。新鮮なイカを使った「イカ焼き」や「お好み焼き」をメーンに、“本場の粉もん屋”をあうんの呼吸で切り盛りする。

 久枝さんは、小樽市出身。父親の転勤で中学1年から函館に住み、函館白百合高校を卒業。当時、末広町にあった丸井今井函館店に就職した。そのころ、函館に旅行で訪れた和歌山県出身で大阪にいた、樹生さんと知り合い、40年前に結婚。以来、大阪市住吉区で炉端焼きの店を17年、ステーキ店を16年経営してきたが、BSE(牛海綿状脳症)の影響を受けて、2004年に店をたたんだ。

 函館への移住を考えたのは3年ほど前。昨年4月から半年間、久枝さんが先行して移り住み、「函館は一番いい時代を過ごした街。街並みは変わったけど、住んでる人間は変わってなかったから」と決断した。既に独立した4人の子どもたちは「けんかせえへんで元気でな」と2人の旅立ちを後押ししてくれたという。樹生さんは「ぎりぎりまで迷ったけど(久枝さんを)暑いところで長年、我慢させたから。寒い冬が今から心配や」と笑う。

 店名は大阪時代と同じ「エコー」を継承した。本場から取り寄せたソースが決め手の「お好み焼き」のほか、だしの入った生地にイカと生卵を専用の鉄板でプレスした「イカ焼き」は関西ではおなじみの味だ。価格は「子どもでも食べられるように」と250―500円に抑え、テークアウトも可能。今後、たこ焼きや明石焼きも販売する予定で「大阪で培った料理の腕を振る舞いたい」と久枝さん。

 29日夜には移住者仲間や知人らを招き、試食会を開いた。兵庫県尼崎市から3月末に移住した宮脇辰夫さん(69)は「店を開くのはチャレンジャーやと思う。味はまだピンとけえへんけど(笑)。頑張ってほしい」と辛口のエール。神戸市出身で函館移住者アドバイザーを務める森満さん(67)は「鉄板がなじめば、もっとうまくなる」と太鼓判を押す。樹生さんと久枝さんは「函館はついのすみか。不安やけど、仲間がいるから心強い」と、12坪の店舗に夢を広げている。

update 2009/6/30 11:25
提供 - 函館新聞社


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